令和5年度1月 親子わんぱく自然教室

親子わんぱく自然教室

テーマ

今回の親子わんぱく自然教室のテーマは、
庄川水資料館と冬の生きもの観察!です。

ようす

午前中は、庄川水資料館で活動しました。まずは、「庄川と暮らす 〜庄川と流木の歴史〜」というビデオを観ました。 

その後に、ビデオに登場していた「流送夫」について住職が話をしました。住職のお父さん(私の祖父)は、流送夫でした。まだ道路や橋の整備が十分でなかった頃、川はものを運ぶ重要な輸送路でした。庄川本流では川の流れを利用して、山々から伐採した材木を運搬しており、多くの庄川出身の流送夫の方々が活躍していました。庄川が木材で埋め尽くすされるほど、たくさんの木が運ばれ、その中を流送夫たちは舟に乗って、岩に引っかかった木材があれば、舟から丸太の上に降りて、丸太の上を歩いて、また木材を流れに戻す作業をしていたそうです。 

しかし、流送夫の仕事は危険と隣り合わせでした。祖父の友人は、「あいつなら大丈夫だ!」と言われるほど、仲間からも一目置かれる流送夫でした。いつものように、岩に引っかかった木材を本流に戻していたところ、丸太の上から足を滑らせ、川へ落ちてしまいました。丸太は川いっぱいに広がっていたため、祖父の友人は、浮かび上がってくることができず、後から、木材にぶつかって傷だらけで亡くなった友人が発見されたそうです。 

この話を聞いて、子どもたちも親御さんもシーンとしていました。

流送夫の方々が命がけで木を運んでくれたことにより、我々の生活が発展し、今の私たちの生活があると思います。 

時は流れ、氷見出身の実業家・浅野総一郎がダムの建設を計画しました。反対する流送夫と流血事件もありました。祖父は、仕事を探して静岡の大井川や樺太へ行き、そこで流送の仕事をしました。流れが少ない谷では、木馬(きんま)を作り、流れを塞き止めて、一気に流して木材を本流へ送る「鉄砲出し」という方法がありました。流送夫は、土建、大工、鍛冶屋と、様々な職人技を身につけていました。 

この鉄砲出しは、毎回成功していたわけではなく、うまく谷から木材が出ていかないこともあったそうです。

作業は出身地の者同士で班を組んで行っていたそうで、祖父は越中(富山)組でした。 

他の組が作ってうまくいかなくても、越中組が作る鉄砲出しは、うまくいったそうで、

「越中組が作る鉄砲出しが1番だ!」と各地の流送夫から一目置かれていたそうです。 

今回、親子わんぱく自然教室で庄川水資料館に行った、ねらいは2つありました。ひとつは、2024年3月に庄川水資料館が閉館してしまうため、貴重な資料を見ることができるうちに、子どもたちに見せたかったこと。2つめは、父が元気なうちに、祖父から聞いた流送の話を次の世代の参加者のみなさんに聞いておいてほしかったこと。 

流送の歴史や、流送夫たちの活躍、庄川の歴史を大切に、次の世代に語り継ぎたいと思いました。 

午前中の後半は、水資料館の近くで水生生物調査をしました。 

午後からは、高瀬遺跡で水生生物調査をしました。 

帰りに職員さんに書類をお渡ししに行ったところ、「雨の中でもカッパを着て、川で活動してる!?ってびっくりしたよ!」と驚いておられましたが、親子わんぱく自然教室は、雨でも冬でも、カッパを着たり、活動後に着替えをしたり、防寒対策をしたりして、水生生物調査をしています。 

冬の水生生物調査では、夏との違いが発見できる大切なチャンスです。 

保護者のみなさんも、カッパや何着ものお着替えの準備や防寒対策、何年も通っておられるうちに、プロになっていかれます。

そして、流送夫・越中組は、鉄砲出しでも有名でしたが、雨の中でも仕事を休まない勤勉さでも有名でした。 冬になると富山では、毎日雪が降り、毎日除雪作業に追われます。降っては除雪、また降っては除雪の繰り返しが、越中組の勤勉さを育んだのではないかと祖父が話していたそうです。 

親子わんぱく自然教室のみなさんも、雨でも雪でも天候に関わらず、水生生物調査を続けていくことによって、きっと、勤勉さや、たくましさ、天候に応じた対応力、生きる力が育まれていくことでしょう。

子どもたちの声

さかなとりたのしかった(年少)

おさかな、たくさんつかまえられました。びしょびしょになったけど、たのしかったです。(年中)

さかながみつからなくてざんねんだったけど、またいってみたいとおもった。(年長)

がさがさやってたら2匹もとれました。ヘビトンボのようちゅうは、いわのすきまにいっぱいいました。(小1)

トビケラをつかまえました。つかまえられてうれしかたです。(小1)

カワトンボのヤゴをつかまえた。(小1)

魚をつかまえてたのしかったです。(小1)

2ひきトビケラを見つけました。手をついてあるいているように見えました。(小1)

大きいタナゴをとれてうれしかったです。つぎのところの川の生きものをさがすのがたいへんでした。たのしかったです。(小2)

タナゴみたいな生きものとヤゴがつかまえられました。あそこに生きものがたくさんいるんだなとおもいました。(小2)

しょうがわのれきしについてはじめてしってうれしかったし、魚がいろいろいてびっくりしました。(小3)

公園の池でエビや魚やヤゴがいました。たくさんとれてよかったです。(小3)

トビケラやヘビトンボみたいなのが岩場のところにたくさんいた。お魚みたいなのも岩の近くにいた。(小3)

午前中に、ほそ長い魚とぬまえびを見つけました。午後からは、川でさわがになどをつかまえました。さわがには石の下などにいました。(小4)

庄川の歴史を知り、とてもびっくりしました。昔の人達は、大変なんだなと思いました。でも、電気が使えたり、今の暮らしがべんりなのは、昔の人達のおかげなんだろうなと思いました。魚はあまりとったことがないのでとれてとてもうれしかったです。ぜんざいやつけものもおいしかったです。(小5)

タナゴをつかまえて、何ていう名前のタナゴか分からなかったので、図鑑で調べようと思った。(小6)

保護者の皆さんの声

庄川の石の種類の豊富さにびっくりした。庄川をうめつくすほどの流木産業が行われていたことは知らなかった。流木乗り選手権、昔出たことがあって楽しんでいたが、金子先生のお父さんの話など、背景を知ってまたおどろいた。ゴツゴツした石はなかった。どれも丸っこい。

何気なく見ていた風景に歴史があることが知れ、とても興味深かったです。

庄川の流木についての歴史をほとんど知らなかったのでとても勉強になった。川の流れが今とは違っていたこと、とてもたくさんの人が関わっていたことも知れて、驚くことが多くありました。池にたくさんの生物がいて驚きました。どのようなものを食べるのか、今後どうなっていくのか、育てながら観察していきたいです。

今回は庄川の流木の歴史について初めて学びました。知らない事ばかりで興味深い座学でした。金子先生のお父さんが流木の仕事を実際にやっていたのも、それだけ地域と庄川がつながっているのだなと感じました。流木の仕事が無くなってしまったのも少し淋しい気もします。水資料館の池には、タナゴのなかまらしきものがいてびっくり!水資料館の池には、魚の種類が少なく感じる。

親子わんぱく自然教室とは

親子わんぱく自然教室は、1981年から42年間、父が金城寺の住職を しながら毎月、企画・運営しています。 親子で、ふるさとの自然や文化、歴史を学ぶ活動をしています。 

ふるさとの身近な自然、歴史や文化に親しむ五感による体験を大切にして、豊かな情感・科学的発想・強く生きる力・自然への畏れや敬いを育み、いのちの尊厳と関係・有限・多様性を伝えたいという想いで続けています。 

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